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生物物理:キネシンはステップとステップの間でどのような構造状態をとっているのか

Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06346

キネシン-1(従来型キネシン)は二量体のモータータンパク質であり、ATPを加水分解して8 nmのステップで連続的に移動することにより、微小管に沿った細胞内輸送を行っている。このような連続的運動は、2つのモータードメイン(頭部)を交互に動かすことによって実現されており、また、頭部の移動はキネシンのネックリンカードメインのコンホメーション変化によって引き起こされている。しかし、ステップとステップの間の「待機状態」においてキネシンがとる構造については議論が続いており、キネシンが片方の頭部だけで微小管に結合した遷移構造をとるというモデルと、キネシンの両方の頭部が隣接するチューブリンサブユニットに同時に結合しているとするモデルが提案されている。微小管に沿って運動中のキネシン二量体の構造状態を直接観測する手段がなかったことが一因となり、これまでこの問題の解決は困難であった。今回我々は、1分子蛍光共鳴エネルギー移動(smFRET)法を用いて、キネシンが微小管のレールに片方の頭部だけで結合している状態と両方で結合している状態を区別することのできる、2種類のセンサーを開発した。これらを用いたFRET測定の結果から、飽和量のATP存在下で運動している場合には、キネシンはほとんどの時間、両方の頭部で微小管に結合していることが示された。しかし、ATP濃度が低くヌクレオチド結合が律速段階となるような条件下では、キネシンは片方の頭部だけが結合した状態でATPの結合を待ち、短時間だけ両頭部結合状態に遷移しながら、微小管に沿って歩行していた。我々はこれらの結果に基づき、ATP加水分解サイクルにおける遷移が、2つのキネシン頭部の配置を決め、それらを交互に移動させる仕組みについてのモデルを提案する。

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