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細胞:細胞内での細菌の増殖は、PKB/AKT1を中心とするキナーゼ・ネットワークによって制御される

Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06345

多剤耐性(MDR)菌の出現により、新しい治療的介入戦略の開発は急を要するものになっている。現在使われている抗生物質は概して、宿主に特異的な生化学経路ではなく、病原体そのものを標的としている。今回我々は、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)と結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のような、類縁関係のない病原菌の細胞内での増殖を妨げるキナーゼ阻害剤を開発した。自動顕微鏡を用いたヒト・キノーム(kinome)のRNA干渉スクリーニングによって、ネズミチフス菌の細胞内増殖を阻害可能な宿主キナーゼがいくつか見つかった。これらのキナーゼは、AKT1(PKBともよばれる)を中心とする1つのネットワーク内に集まっていた。AKT1の阻害剤は、MDR結核菌も含め、さまざまな細菌の細胞内増殖を阻害する。AKT1は、ネズミチフス菌のエフェクターであるSopBによって活性化される。SopBは、アクチン動態のPAK4を介した制御と、AS160(TBC1D4ともよばれる)-RAB14経路を介したファゴソーム-リソソーム融合の制御によって、細胞内での生存を促進する。AKT1阻害剤は、細菌が宿主のシグナル伝達経路を操作するのを防ぎ、それによって細菌の細胞内増殖を抑制する。相互ケミカルジェネティクス的手法により、抗菌活性をもつキナーゼである阻害剤とその宿主側標的を同定し、また、細胞内に入った細菌が生存のために活性化する宿主のシグナル伝達ネットワークを明らかにできた。

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