Letter 細胞:有糸分裂の異常をなくすために必要なセントロメアの構造は、紡錘体の力によって制御されている 2007年11月29日 Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06344 染色体の正常な分離はゲノムの安定性に不可欠だが、それには、個々の染色体がそれぞれ有糸分裂紡錘体の両極に同時に結合する、「二方向性」接着が起こらなくてはならない。二方向性結合した染色体では、動原体(染色体を紡錘体へとつなぐ巨大分子複合体)が染色体のセントロメアの両側に形成される。これに対して、2個の姉妹動原体の両方が一方の紡錘体極に誤って結合したシンテリック(syntelic)染色体では、姉妹動原体がセントロメアの片側だけに形成されている。シンテリックな接着は紡錘体形成時によく起こるが、染色体の喪失を防ぐためには、これが修正されなければならない。正しいセントロメア構造への回復は、セントロメアの弾性によって自然に起こると考えられている。今回我々は、培養哺乳類細胞でレーザー顕微鏡手術と生化学検査とを組み合わせて用いて、この仮説を検証した。シンテリック染色体の動原体は、紡錘体の微小管と切り離しても並置のままであることがわかった。この知見は、シンテリックな接着の修正には、これまで見逃されてきた余分な段階がかかわることを示している。すなわち、姉妹動原体をセントロメアの両側に移動させるためには、外部からの力を加えなければならない。さらに、動原体が並置された染色体が複数存在するときは、セントロメアのない細胞では2つの極を備えた紡錘体が形成されないことから、紡錘体の組み立てにセントロメアの形状が重要であることが実証された。このように、セントロメアの適切な構造は、精度の高い染色体分離を達成する上で非常に重要な働きをしている。 Full Text PDF 目次へ戻る