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免疫:カルシニューリンは胸腺細胞発達過程でシグナル識別の帯域幅を設定する

Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06305

細胞は発達の重要な時期に、段階的シグナルを個々の発達の結果に変換することができる。しかし、これにかかわる機序はほとんど明らかになっていない。胸腺細胞の発達過程では、細胞運命はαβT細胞受容体からのシグナルによって決定される。T細胞受容体とペプチド-MHC複合体との低アフィニティ/低アビディティの相互作用は、シングルポジティブ段階への分化(正の選択)を誘導するが、高アフィニティ/高アビディティの相互作用はアポトーシスによる死を誘導する(負の選択)。本論文では、カルシニューリンとNFAT(nuclear factor of activated T cells)c2/c3の両方を欠損するマウスは、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(Raf-MEK-ERK)経路活性化能が亢進した選択前の胸腺細胞集団を欠き、正の選択を受けることができないことを示す。この異常は、構成的に活性化しているRafによって部分的に回復でき、カルシニューリンがMAPKシグナル伝達を制御することを示している。負の選択に必要なBimとカルシニューリンの両方を欠損するマウスの解析によって、カルシニューリンによって誘導されたERK(extracellular signal-regulated kinase)の増感が、「弱い」正の選択シグナルに応答した分化には必要であるが、「強い」負の選択シグナル(通常アポトーシスを誘導する)に応答した分化には必要でないことが明らかになった。これらの結果は、早期のカルシニューリン/NFATシグナル伝達がERK過感受性の発達期間を生み出し、非常に弱いシグナルによって正の選択が誘導されるようになることを示している。この機序は、異なる細胞運命を誘導する段階的なシグナルの識別に、一般的に有用である可能性がある。

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