Letter 物理:チップ上の光共振器中のボーズ-アインシュタイン凝縮体における原子-電磁場強結合 2007年11月8日 Nature 450, 7167 doi: 10.1038/nature06331 光共振器によって原子と光との相互作用を増強することで、コヒーレントな原子-光子結合率を、系のすべてのデコヒーレンス率より大きくすることができる。単一原子に対しては、このような共振器量子電気力学の「強結合領域」に関して、これまで多くの進展があった。原子をトラップし、それを運動の基底状態へと冷却することで、結合率を制御する試みが行われてきた。この運動基底状態への冷却はこれまで一次元で実現されている。多原子系に対しては、運動の三次元基底状態が原子のボーズ-アインシュタイン凝縮体(BEC)として得られている。BECと光共振器を組み合せた実験が最近報告されたが、単一原子の強結合領域にある共振器へBECを結合させることは、まだ実現できていない。本論文では、ファイバーを使った共振器と原子チップ技術を組み合わせて、これを可能にした実験を報告する。これを使うと、簡単な装置で単一原子の共振器量子電気力学実験が可能になり、共振器中で原子各々が共振器モードと同一に強く結合させることができる。さらに、このBECは共振器内部の任意の場所へ決定論的に配置し、定在波共振器場の単一波腹内へ完全に局在させることができる。これによって結合率を自在に調整できることを実証する。共振器透過率を測定することによって起こる加熱率を結合率の関数として調べた結果、強結合のBECでは測定可能なほどの加熱はみられなかった。広範囲の原子数と共振器-原子離調にわたって測定した結合原子-共振器系のスペクトルは、20ギガヘルツを超える真空ラビ分裂を示し、さらに、予測しなかった余分な分裂をも示している。この分裂は、原子超微細構造から生じると予測される。この系は、量子情報に使う光-物質量子インターフェイスに適していると期待される。 Full Text PDF 目次へ戻る