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環境:中央カナダ北方林の炭素収支を左右する主要因は森林火災である

Nature 450, 7166 doi: 10.1038/nature06272

世界の北方林では数十年にわたって気候、大気中二酸化炭素濃度、および森林火災の発生状況が変化してきており、北方林の多くで主要な撹乱要因となっている森林火災は、将来の気候変動で頻度が上昇すると考えられる。正味の北方林炭素収支に対する環境条件変化の影響を定量評価した従来の研究では、異なる植生の型どうしの大規模な競合が考慮されていなかった。今回我々は、維管束植物および非維管束植物の3つの競合する植生の型を取り扱う過程モデルを用い、カナダ北方林の100 Mhaを対象に、純バイオーム生産、純一次生産、および植生の優占度に、気候、二酸化炭素濃度、および森林火災による撹乱が与える影響を検討した。1948年から2005年にわたるこの地帯の炭素収支は、森林火災による撹乱の変化によって変化していることがわかった。気候変動は景域の炭素収支のばらつきを左右したものの、平均値への影響はなく、降水量は気温を上回る影響を与えていた。森林火災は20世紀終盤に頻度が上がって大規模化し、その結果、針葉樹を犠牲にする形で、落葉樹およびコケ類の生産量が増大したことが明らかになった。しかしこのモデルでは、人工衛星データから推測された北方林全体の純一次生産の増大が示されなかった。土壌の水はけが悪いと景域の炭素収支のばらつきが小さくなることがわかり、気候変動および水文学的変化の増大がこうした地域の炭素動態に過大な影響を及ぼす可能性が示唆された。まとめると、この広大な北方林地帯では、これまでに地球規模の気候変動による直接の生態生理学的変化が生じていないものと結論される。現在までのところ、景域の炭素収支および植生の優占度の変動は、森林火災の頻度上昇によるところが大きい。

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