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生理:フォース・クランプ法によってチオレドキシン触媒作用の化学的性質を探る

Nature 450, 7166 doi: 10.1038/nature06231

チオレドキシンは、すべての生物でジスルフィド結合の還元を触媒する酵素である。この触媒作用は二分子求核置換(SN2)反応を介して進行するが、この化学反応の調節におけるチオレドキシンの役割は不明である。今回我々は、一分子フォース・クランプ分光法により、大腸菌チオレドキシン(Trx)の触媒機構を調べた。ジスルフィド結合をもつ基質に25〜600 pNの範囲で機械的力を加え、各酵素によるジスルフィド結合の還元作用を観察した。触媒反応は2種類、すなわち基質のジスルフィド結合の再配向が必要で基質ポリペチドが0.79±0.09 Å(±標準誤差)だけ短くなる反応と、基質のジスルフィド結合が0.17±0.02 Å(±標準誤差)だけ長くなる触媒反応が検出された。これらの結果は、Trxの活性部位が、反応に参加する硫黄原子の配置をオングストローム以下の精度で調節して効率的な触媒作用を可能にしているという考えを支持している。今回得られた結果は、心血管疾患などで起こる酸化ストレスおよび機械的損傷下でのTrx活性調節に、基質のコンホメーション変化が重要であることを示している。また、今回示されたように、一分子原子間力顕微鏡は、酵素の触媒作用中に起こる活性部位内での動的な再配置を観察可能だが、現在使われている他の構造生物学的方法ではこうした観察は不可能である。

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