Letter 物理:アンダードープBi2212の超伝導転移点における2番目のエネルギーギャップの突然の出現 2007年11月1日 Nature 450, 7166 doi: 10.1038/nature06219 超伝導ギャップは、超伝導現象と密接に関係したエネルギースケールであり、従来型のBCS超伝導体の超伝導転移温度(Tc)でフェルミ面上に開く。アンダードープ高Tc銅酸化物超伝導体では、超伝導ギャップとの関係がまだ不明である擬ギャップが、Tcよりかなり上で出現する。この擬ギャップが超伝導とは別個の現象なのか、あるいはTcより上で超伝導ギャップとインコヒーレントにつながったものなのかは、高Tc超伝導の研究で核心となる問題の1つである。これら2種のギャップが別個のものであることを示唆する実験的証拠はいくつかあるが、この問題についてはまだ議論が行われている。2種のギャップの描像をはっきりさせる決定的な証拠、すなわち、温度の関数として超伝導転移と結びついた1粒子ギャップの直接的で明瞭な観測結果はまだない。本論文では、アンダードープBi2Sr2CaCu2O8+δでこのようなエネルギーギャップを、過去の測定では見落とされていた運動量空間領域で発見したことを報告する。Cu-O結合方向の対角線(ノード方向)近傍で、ギャップがTcで開き、これが標準的な(BCS型の)温度依存性を示し、古典的な超伝導の特徴であるいわゆるボゴリューボフ準粒子の出現を伴っていることを見いだした。これは、以前の実験で測定されたCu-O結合方向近く(アンチノード領域)の擬ギャップと著しい対照を成している。 Full Text PDF 目次へ戻る