Letter 細胞:細胞周期の進行と遺伝子発現のH2A脱ユビキチン化による調節 2007年10月25日 Nature 449, 7165 doi: 10.1038/nature06256 翻訳後のヒストン修飾は、クロマチンの構造と機能を調節する重要な役割を担っている。このような修飾の一例がヒストンのユビキチン化で、大部分はヒストンH2A、H2Bに対して起こる。最近、ヒストンH2Aを基質とするユビキチンリガーゼが同定され、H2Aのユビキチン化がHox遺伝子のサイレンシングとX染色体不活性化に重要な役割を果たすことが明らかになったが、H2Aの脱ユビキチン化にかかわる酵素や、H2A脱ユビキチン化が担う機能は解明されていない。本論文では、主要なヒストンH2A脱ユビキチン化酵素Ubp-M(USP16とも呼ばれる)の同定とその機能の解明について報告する。Ubp-Mは、in vitroでヌクレオソームを選択的に基質とし、in vitro、in vivoでヒストンH2Aを特異的に脱ユビキチン化するが、H2Bは脱ユビキチン化しない。HeLa細胞でUbp-Mをノックダウンすると、細胞周期の有糸分裂期に異常が生じるために細胞の増殖速度が遅くなることは注目に値する。さらに、Ubp-MによるH2Aの脱ユビキチン化が、その後に起こるH3のSer 10のリン酸化と細胞が有糸分裂に入ってから起こる染色体分離の必要条件であることが判明した。また、Ubp-MがH2Aの脱ユビキチン化を介してHox遺伝子の発現を調節していること、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)でUbp-Mの機能を阻害すると後部の発生に異常が生じることも明らかになった。今回の研究によって、ヒストンH2Aの主要な脱ユビキチン化酵素が同定され、H2Aの脱ユビキチン化が細胞周期の進行と遺伝子の発現に極めて重要なかかわりをもつことが実証された。 Full Text PDF 目次へ戻る