Article 細胞:正しく折りたたまれたRNAと誤って折りたたまれたRNAのDEADボックス型シャペロンによる速度論的再分布 2007年10月25日 Nature 449, 7165 doi: 10.1038/nature06235 DExD/Hボックスタンパク質はRNAを介した反応に広くかかわっており、ATPを使ってRNAのコンホメーション変化を促進する。しかしその作用機構や、標的化するRNAを何が決めるのかなどは、よくわかっていない。今回我々は、一般的なRNAシャペロンの1つでDExD/Hボックスタンパク質であるCYT-19が、グループIに属する触媒RNAの1つで、本来のコンホメーションをもつものと、誤った折りたたみのコンホメーションをもつ長寿命のものの両方に作用し、折りたたみ構造をATPによってほどくことを明らかにする。その効率は対象となるRNAの安定性によって決まり、特定の構造的な特徴にはよらない。次にCYT-19は、このRNAを再び折りたたませて、RNA構造の分布を平衡状態から速度論的支配状態に変化させる。誤った折りたたみは速度論的に起こりやすいので、RNAの本来の折りたたみ構造がほどける条件では、誤った折りたたみ構造をもつRNAが大幅に増加する。今回の結果は、DExD/Hボックスタンパク質が非常に幅広くまた効率よく作用するために、平衡状態の場合よりも、折りたたまれたRNAのコンホメーションが多様になることを示している。つまりRNAは、DExD/Hボックスタンパク質による構造分布の変更を避けるために、活性型コンホメーションを不活性型に比べて安定にするという選択圧を受けているのかもしれない。逆に、その機能が複数のコンホメーションの形成にかかっているようなRNAは、DExD/Hボックスタンパク質に依存して安定性の低いコンホメーションをもつものを増やし、それによって全体としての効率を上昇させるのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る