Letter 生化学:レトロマー積み荷認識複合体の機能的構造 2007年10月25日 Nature 449, 7165 doi: 10.1038/nature06216 レトロマー複合体は、酸性加水分解酵素のリソソームへの選別輸送、多量体免疫グロブリン受容体のトランスサイトーシス、Wnt勾配の形成、鉄輸送体の再利用、アミロイド前駆体タンパク質のプロセシングなどに必要である。ヒトのレトロマーは2つの小型の複合体、つまり積み荷を認識するVPS26-VPS29-VPS35ヘテロ三量体と、膜ターゲティング性のSNX1およびSNX2からなるヘテロ二量体またはホモ二量体からできている。今回我々は、VPS29-VPS35複合体の結晶構造を報告し、メタロホスホエステラーゼフォールドをとるサブユニットVSP29が、VPS35のカルボキシ末端側の土台として働くことを明らかにする。VPS35は右巻きのαへリックスからなるU字型のソレノイドをつくり、U字のくぼんだ内側の面がVSP29の金属イオン結合部位を完全に覆っている。U字の外側には、へリックス間の疎水性の溝が露出している。電子顕微鏡観察により、完全なVPS26-VPS29-VPS35複合体は、長さ約21 nmの棒状の柔軟な構造であることがわかった。結晶構造、電子顕微鏡観察、相互作用研究とバイオインフォマティクスに基づいて得られたハイブリッド構造モデルにより、αソレノイドフォールドがVPS35全体に広がっていて、VPS26はVPS29と反対の末端に結合していることが明らかになった。この伸びた構造は、SNX複合体と積み荷である受容体のための結合部位を多数もち、湾曲した小胞膜に合った形に曲がれる柔軟性があるらしい。 Full Text PDF 目次へ戻る