Letter 宇宙:近傍の渦銀河M 33中の食連星にある太陽の15.65倍の質量をもつブラックホール 2007年10月18日 Nature 449, 7164 doi: 10.1038/nature06218 恒星質量のブラックホールは、X線を放射している連星系で観察され、こうしたブラックホールの質量はその伴星の力学的性質から決定できる。星の進化のモデルでは、近接連星系で太陽質量の10倍以上の質量(> 10 M◎)をもつブラックホールの形成は困難であるとされ、このことは、これまで知られている最も大質量のブラックホールのすべてが10 M◎の1標準偏差内にあるという事実と矛盾しない。本論文で我々は、最近発見された連星系M 33 X-7中のブラックホールの質量が15.65±1.45 M◎であることを報告する。この連星系は、近傍銀河メシエ33番(M 33)に位置し、食連星の中に存在するブラックホールとして知られる唯一のものである。このような大質量ブラックホールを形成するには、親星は、コアのヘリウムの核融合が完全に終わった後まで、その外層のほとんどを保持していなければならない。一方で、ブラックホールがおよそ70.0±6.9 M◎の質量をもつ伴星の周囲を現在の3.45日で軌道運動するためには、質量のかなりの部分が系から失われるという「共通外層」進化の段階があったとしなければならない。我々は、その進化の間に親星から失われる質量が、大質量星の進化モデルで通常仮定される量より1桁小さかったのでないかぎり、共通外層の段階がM 33 X-7では起こりえなかったことを見いだした。 Full Text PDF 目次へ戻る