Letter

考古:更新世中期の南アフリカでの人類による海洋資源と顔料の初期の利用

Nature 449, 7164 doi: 10.1038/nature06204

ヒト(Homo sapiens)は、200〜100 kyr(千年)前にアフリカに出現したことが遺伝学および解剖学的証拠によって示唆されており、最近の証拠から、象徴行動が現れたのは135〜75 kyr前と考えられている。195〜130 kyr前、地球は変動がありながらも大勢的には氷期であり(海洋酸素同位体ステージMIS6)、アフリカの大部分は気温も湿度も現在と比べて低く、年代が特定されている遺跡はほとんどない。本論文では、ピナクルポイント(南アフリカ南岸)にいた人類が、おそらくこうした厳しい環境条件への対応として、約164 kyr前(±12 kyr)までに海洋資源を食料に加えるようになっていたことを示す。従来、人類の海洋資源利用および海岸域居住に関する証拠は、約125 kyr前のものが最古であった。この食料および居住地の拡張と同時に、おそらく象徴行動のためと考えられる初期の顔料利用および加工と、従来は70 kyr前以降の出現とされていた小石刃製作技術がみられる。この初期の人類は行動圏を海岸地帯にまで広げ、海水準が上下していたMIS6に海岸線の動きに合わせて移動したことから、その生存には貝類が不可欠であった可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度