Article

細胞:アミノアシル-tRNAタンパク質転移酵素による、タンパク質が触媒するペプチド結合形成

Nature 449, 7164 doi: 10.1038/nature06167

真正細菌のロイシル/フェニルアラニル-tRNAタンパク質転移酵素(LF転移酵素)は、Leu-tRNALeu(またはPhe-tRNAPhe)とタンパク質のアミノ末端のArg(またはLys)をそれぞれアミノ酸の供与体、受容体として、ペプチド結合の形成を触媒する。しかし、LF転移酵素によるペプチド結合形成の触媒機構は明らかになっていない。今回我々は、LF転移酵素とフェニルアラニルアデノシンとの複合体について、N末端にArgをもつ短鎖ペプチドが結合した状態と結合していない状態の構造を決定した。この2種類の構造を1つに重ね合わせた構造と変異体酵素の生化学的解析から、LF転移酵素によるペプチド結合形成の機構が明らかになった。Asp186からGln188への電子伝達によって、Gln188が受容体ペプチドのN末端Argのα-アミノ基から、プロトンを引きつける。それにより、アミノアシル-tRNAのアミノアシル結合のカルボニル炭素を攻撃する求核基が生じ、ペプチド結合の形成が促進される。LF転移酵素による、タンパク質が触媒するペプチド結合形成機構は、セリンプロテアーゼによるペプチド加水分解反応にみられるアシル中間体形成反応の逆反応に類似している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度