Letter 細胞:ヒストンH3R2のアルギニンメチル化はH3K4のトリメチル化状態を制御する 2007年10月18日 Nature 449, 7164 doi: 10.1038/nature06160 ヒストンの修飾は、そのクロマチン構造に与える影響を介して、重要な生物学的過程を制御している。ヒストンH3の4番目のリシン(H3K4)のメチル化は、活性化遺伝子の5′末端で認められており、クロマチン・リモデリングにかかわる酵素を動員することで転写活性化を助けている。また哺乳類細胞では、隣接するアルギニン残基(H3R2)も非対称的にジメチル化される(H3R2me2a)ことが知られているが、その遺伝子内での位置や転写での機能は明らかになっていない。本論文では、H3R2が出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)でもメチル化されていることを示し、また、チップ上でのH3R2me2a特異的抗体を使ったクロマチン免疫沈降解析によって、酵母ゲノム全体でのこの修飾の分布状態を明らかにした。H3R2me2aは、ヘテロクロマチン領域の遺伝子座すべてと不活性なユークロマチン領域の遺伝子に豊富に存在し、普通程度に転写されている遺伝子の3′末端に存在することを見いだした。すべての場合で、H3R2メチル化のパターンは、H3K4のトリメチル化型(H3K4me3)と相互排他的である。H3R2のメチル化により、Set1メチルトランスフェラーゼによるH3K4トリメチル化が阻害されることがわかった。H3K4me3に特異的な影響は、トリメチル化に必要なSet1メチルトランスフェラーゼのサブユニットであるSpp1の阻害によっている。したがって、Spp1はR2がメチル化されたH3を認識できないことにより、Set1によるH3K4トリメチル化が阻止される。これらの結果は、クロマチンでのアルギニンメチル化の機能に対する、初めての機構的考察である。 Full Text PDF 目次へ戻る