Letter 地球:始生代中期の無酸素状態と大気中の硫黄の化学的変化を示す同位体の証拠 2007年10月11日 Nature 449, 7163 doi: 10.1038/nature06202 地球大気の進化には、酸素含有量が極めて少ない初期の大気から、現在の大気レベルと同じ数パーセントの酸素を含む大気への移行という特徴がある。このような移行が起きた時期を絞り込むことは、酸化による風化作用の効率がよくなり、酸素と硫黄が供給されて海洋の化学的性質が変化し、地球の生態系の大部分が嫌気性から好気性へと変化した時期を特定することになるため、関心を集めている。約24.5億年(2.45 Gyr)以上前の堆積岩中では質量非依存性の硫黄同位対比が観測されるが、より年代の若い堆積物中ではこうした信号が消えることは、約2.45 Gyr前の無酸素大気から有酸素大気への移行を示す最も強力な証拠の1つであると考えられる。2.45 Gyr前の硫黄同位体記録を詳細に調べると、信号が減衰した時期を挟んで早い時期と遅い時期に、質量非依存性の振幅の大きな信号がみられる期間があることがわかった。最近まで、この記録は粗過ぎて説明できなかったが、新しいデータを集めることで、始生代中期(3.2〜2.8 Gyr前)は質量非依存性の信号を欠いており、これがより早い時期のおそらくは恒久的な大気酸素化を記録していると一部で論じられるようになった。本論文では、始生代中期に注目し、始生代の、その前後の時期とは異なる質量非依存性の信号が保存されていることを立証する。この発見は、初期の無酸素大気の証拠の維持を示しており、2.45 Gyr以前の大気中の質量非依存性化学反応過程変化と、進化しつつある初期大気の紫外線透過率の変化を示唆する同位体記録の変動を明らかにするものである。 Full Text PDF 目次へ戻る