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医学:乳癌でマイクロRNA-10bによって惹起される腫瘍の浸潤と転移

Nature 449, 7163 doi: 10.1038/nature06174

マイクロRNAは、さまざまな細胞経路の制御に関与することが示されてきた。マイクロRNAには、癌遺伝子または腫瘍抑制因子として機能するものがあることが次第に明らかにされているが、癌転移におけるマイクロRNAの役割はわかっていない。今回我々は、マウスとヒトの細胞を組み合わせて用い、マイクロRNA-10b(miR-10b)が転移性の乳癌細胞に高レベルで発現し、細胞の移動と浸潤を進める方向に調節することを示す。本来は非転移性である乳房腫瘍でmiR-10bを過剰発現させると、強い浸潤と転移が惹起される。miR-10bの発現は、mir-10bMIRN10B)のプロモーターと推定される領域に直接結合する転写因子Twistによって誘導される。Twistによって誘導されたmiR-10bは次に、ホメオボックスD10をコードするメッセンジャーRNAの翻訳を阻害し、その結果として、特徴が明らかにされている転移促進性遺伝子RHOCの発現増大をもたらす。重大なことに、原発性乳癌におけるmiR-10bの発現量と臨床上での癌の進行は相関する。今回の知見は、ある多機能性転写因子が特定のマイクロRNAの発現を誘導することによりその直接的な標的を抑制し、それが別の転移促進性遺伝子を活性化して腫瘍細胞の浸潤および転移を招くという、まだ知られていない調節経路が働いていることを示唆している。

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