Letter 言語:言語の進化動態の定量化 2007年10月11日 Nature 449, 7163 doi: 10.1038/nature06137 人間の言語は文法の規則に基づいている。文化の発展に伴い、これらの規則は時間とともに変化していく。規則は互いに競い合い、新しい規則が優勢になると、古い規則は滅びていく。言語の進化動態を定量するため、我々は、過去1,200年間にわたる英語動詞活用の規則化(regularization)について調べた。英語の祖先にあたるゲルマン祖語には、生産的な活用の複雑なシステムが存在したが、現代英語では、歯音接尾辞「-ed」を用いて過去形を表す。本論文では、この言語規則の例外である不規則動詞が漸進的に衰退していく間に、この言語規則が出現してきたことを示す。我々は、活用が1,000年以上にわたって変化してきた動詞のデータセットを作り、屈折変化を177語の古英語の不規則動詞までたどって追跡した。これらの不規則動詞のうち、145語は中期英語でも不規則動詞のまま残り、そのうち98語は今日でも不規則動詞のまま残っている。我々は、動詞の規則化の速度が、言葉の使用頻度にどの程度依存しているかを調べた。ある不規則動詞の半減期は、その使用頻度の平方根に応じて決まる。すなわち、ある動詞の使用頻度が100分の1だとすると、10倍の速度で規則動詞化する。我々の研究は規則化プロセスの定量的な解析であり、そうした規則化プロセスによって、古い言語形態は新たに出現してくる言語規則に次第に取って代わられていくのである。 Full Text PDF 目次へ戻る