Letter 超伝導:モット転移近傍の有機金属における超伝導ゆらぎ 2007年10月4日 Nature 449, 7162 doi: 10.1038/nature06182 従来型超伝導体を転移温度Tcを経て冷却すると、正常状態の電荷キャリアがクーパー対を形成し、エネルギーギャップが発生する。このようなクーパー対は、超伝導のよく知られた特徴、すなわちゼロ抵抗と磁束排除(マイスナー効果)を示す位相コヒーレントな凝縮体を形成する。しかし、多くの非従来型超伝導体では、エネルギーギャップの形成と同時に位相コヒーレントな超流体が形成されることはない。その代わり、臨界温度を超える温度において、「擬ギャップ現象」と総称される一連の異常特性が観察される。今回我々は、主要な擬ギャップ現象の1つである、転移温度をかなり上回る温度で生じる超伝導ゆらぎが、モット絶縁状態の接近によって誘発されうることを論じる。κ-(BEDT-TTF)2X有機金属におけるモット絶縁状態は、パラメーターt/U(tを金属バンド幅を特徴付ける強束縛移動積分、Uをサイト上のクーロン反発とする)の関数として、超伝導を通して正常な金属状態までドーピングせずに調整可能である。我々は、特に感度の高い超伝導ゆらぎのプローブであるボルテックス-ネルンスト効果を用いることにより、t/Uが減少し、クーロン相関の役割が増加するにつれて、ゆらぎ状態が現れることを見いだした。 Full Text PDF 目次へ戻る