Letter

生態:自然集合食物網にみられる複雑性と安定性の両立

Nature 449, 7162 doi: 10.1038/nature06154

複雑な食物網が時間を経てどのように組み立てられていくのかを理解することは、生態学理論にとっても、生態系の保全・回復の持続可能な戦略の発展にとっても重要である。ランダムパターンモデルでは、複雑性は不安定性をもたらすため、理論的には、群集内で複雑性は増大しにくいと考えられる。しかし、捕食者と被食者の相互作用の強度にみられる非ランダムパターンが、系の安定性を大きく高めていることを示す証拠は蓄積されつつある。本論文では、そのようなランダムおよび非ランダムパターンによって自然集合群集の安定性を説明する仕組みを示す。我々は、植生遷移における自然の生産性勾配に沿った2つの地中食物網を提示する。これらの食物網の複雑性は勾配に沿って増加していた。食物網の安定性は、雑食性に固定された相互作用する3つの「種」のフィードバックループの重みを計測することによってとらえられた。遷移の間に生産性および複雑性が増加するにつれて、これらの雑食者ループにおける低い捕食者-被食者バイオマス比が、安定性を保つのに決定的な役割を果たしていることが示された。我々の結果は、自然の生産性勾配における食物網の複雑性の増大を示しており、食物網全体の安定性を左右するフィードバックループの存在を確認するものである。これらの結果は、食物網の安定性を制限しているのが、捕食者-被食者作用のネットワークにおいて最も重みの大きい3連結フィードバックループであることを示している。これらのフィードバックループの重みは、遷移過程におけるバイオマスの増大によって比較的低く保たれるため、複雑性が不安定性を招くことはない。

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