Letter 地球:上部マントル内の金属飽和状態 2007年9月27日 Nature 449, 7161 doi: 10.1038/nature06183 地球マントルの酸素フガシティーfO2は、マントルの岩石学的性質の基本的な変数の1つである。第一鉄と第二鉄の平衡や炭素-水素-酸素の間の平衡を通して、fO2はマントル固相線の温度-圧力にかかわる位置と、マントルの一部が溶解したメルトの組成に影響を与える。パラメーターの中では、fO2は特に、マントルの水保持能力と流動学的性質に影響を及ぼす。最上部マントルは、その試料や部分溶融が示すように、カーボナタイト・メルトだけでなくH2OやCO2などの揮発物質を保持できるだけ十分に酸化されているが、浅部のマントルが上部マントル全体を代表しているかどうかはわかっていない。本論文では、高圧実験によって、アセノスフェアの大部分は金属で飽和しているらしいことを示す。金属鉄との平衡状態において、7 Gpa以上の圧力条件で合成した輝石とザクロ石は十分な第二鉄を取り込むことができるので、深さ250 km以上のマントルは十分に還元されていて(Fe,Ni)金属相は恐らく安定であるとわかった。この結果は、最上部マントルの酸化的性質が地球の上部マントル全体を表すものであると見なすことはできず、酸化状態は最上部の厚さ約250 kmの薄板状上の領域に限定される浅部特有の現象であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る