Letter 細胞:未拘束の前駆細胞への脱分化による成熟B細胞からT細胞への転換 2007年9月27日 Nature 449, 7161 doi: 10.1038/nature06159 成熟細胞型への系統拘束と分化は、生理的条件下では一方向性の不可逆的過程であると考えられている。造血前駆細胞のB細胞系統への拘束と、成熟Bリンパ球への発生は、Pax5(paired box gene 5)によってコードされる転写因子に大きく依存する。本論文では、マウスの条件的なPax5欠失により、末梢リンパ器官から得た成熟B細胞が骨髄においてin vivoで脱分化して初期の未拘束前駆細胞に戻り、T細胞欠損マウスの胸腺でTリンパ球生成を回復させたことを示す。このB細胞由来Tリンパ球は、免疫グロブリンの軽鎖と重鎖に遺伝子再編成がみられるだけでなく、機能的なT細胞として免疫反応に関与した。成熟B細胞にPax5を欠失するマウスでも、進行性のリンパ腫が発生したが、遺伝子発現プロファイルによってこの腫瘍は前駆細胞の腫瘍であることがわかった。したがって、後期のB細胞でPax5が完全に欠損するとリンパ腫の発生を惹起する可能性があり、成熟した末梢B細胞は高度に分化した段階にあるにもかかわらず、並外れた可塑性を有することが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る