Letter 量子情報:2個の位相キュービット間のコヒーレントな量子状態の空洞共振器を介した記憶と転送 2007年9月27日 Nature 449, 7161 doi: 10.1038/nature06124 古典情報処理と同じように、量子情報プロセッサーには、独立にアドレスを指定でき、読み出し可能なビット(キュービット)、任意の量子状態を記憶する長期記憶素子、および多数のキュービットへアクセス可能でコヒーレントな通信バスを介する量子情報転送能力が必要である。スケーラブルな微細加工技術により作製した超伝導キュービットは、大規模量子情報プロセッサーの実現に向けた有望な候補である。これらの系は、最高4個のキュービットまでコヒーレントに結合する実験は成功しているが、量子バスを介した超伝導キュービット間での各量子状態の伝達は、まだ実現していない。今回、2個の超伝導ジョセフソン位相キュービット間で、量子バスを介して量子状態をコヒーレントに転送する能力を実証する実験を行った。この量子バスは長さ7 mmの終端開放形超伝導伝送線路からなる空洞共振器である。最初のキュービットで初期量子状態を生成させた後、この量子情報は空洞共振器の非古典的な光子状態として転送、記憶され、その後、共振器の反対側に接続した第二のキュービットによって再生される。これらの結果は、高Q値の超伝導共振器が、単純な状態転送だけでなく、有用な短期記憶素子としても機能しうることを示唆している。ここで示した基本アーキテクチャーは拡張でき、多数の超伝導キュービットをコヒーレントに相互作用させることが可能である。 Full Text PDF 目次へ戻る