Letter 物性:高密度液体ナトリウムにおける電子転移と構造転移 2007年9月27日 Nature 449, 7161 doi: 10.1038/nature06123 常温常圧条件では、軽アルカリ金属は対称性の高い構造をもつ自由電子的な結晶である。しかしこれらは、加圧下では意外な複雑性を示すことが最近明らかになった。リチウムとナトリウムが、高圧下でパイエルス機構によって一連の対称性を破る転移を起こすことは理論から予測され、後に実験で確認された。また、ナトリウムの融解曲線の測定によって、30 GPaでは1,000 Kである融点が120 GPaでは室温へと降下するという、前例がなく、いまだに解明されていない圧力誘起融点降下も明らかになった。本論文では、高密度ナトリウムにおける特異な融解挙動を説明するab initio計算の結果について報告する。また、溶融ナトリウムが圧力に誘起された一連の構造転移と電子転移を起こし、これらの転移は、固体ナトリウムで観察されたものと類似しているが、液体の無秩序の存在下でははるかに低い圧力で始まることを示す。圧力を増加させると、液体ナトリウムは、当初より緻密な局所構造をとることによって漸進的に変化する。しかし、65 GPa付近の圧力で低配位性液体への転移が起こり、これに伴って導電率が3分の1に低下する。この転移は、フェルミ準位で電子状態密度に擬ギャップが開くことにより駆動される。これは、液体金属ではこれまで観察されたことのない効果である。低配位性液体は、高温かつ最密充填した自由電子的金属の安定領域より上で出現する。他の材料でも、これと似た特異な挙動が起こりうると予測される。 Full Text PDF 目次へ戻る