Article

生化学:プロトン感受性イオンチャネル1の低pHにおける1.9 Å分解能での構造

Nature 449, 7160 doi: 10.1038/nature06163

プロトン感受性イオンチャネル(ASIC;acid-sensing ion channel)は、イオンチャネルの上皮型ナトリウムチャネル/デジェネリン(degenerin)ファミリーに属する電位非依存性プロトン活性化受容体であり、痛みの知覚、虚血発作、機械刺激受容、学習や記憶に関連することが示されている。今回我々は、ニワトリのASIC1欠損変異体の低pHにおける分解能1.9 Åでの結晶構造を報告する。杯形をしたホモ三量体の各サブユニットは、短いアミノ末端とカルボキシ末端、2つの膜貫通ヘリックス、1個の結合した塩素イオン、およびジスルフィド結合に富んだ複数のドメインからなる細胞外領域1個により構成される。細胞外領域には、3 Å以内に酸性残基とカルボキシ基-カルボン酸塩対が多数存在し、少なくとも1つのカルボキシル基はプロトンを保持していると考えられる。アスパラギン酸をアスパラギンに置換した変異体の電気生理学的検討によって、これらのカルボキシ基-カルボン酸塩対がプロトン感知に関与することが確認された。酸性残基と膜を貫通している小孔の間にジスルフィド結合に富んだ「親指」ドメインが存在し、プロトン結合とイオンチャネル開口を連動させていることから、プロトンによる活性化は長距離に及ぶ構造変化を伴うことが示される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度