Letter 量子情報科学:回路での単一マイクロ波光子の生成 2007年9月20日 Nature 449, 7160 doi: 10.1038/nature06126 マイクロ波は、古典通信技術において、長距離放送からコンピューターチップ内部の短距離シグナルまで広範囲に使われている。マイクロ波は、あらゆる形態の光と同じように、集積回路の配線で導波される場合でも、離散的な光子から構成されている。量子コンピューターの遠く離れた部分間での量子通信を可能とするには、そのシグナルも、例えば単一光子からできているような量子でなければならない。しかし、通常の光子源は古典光しか発生できず、単一光子を発生できない。単一光子源を実現する方法の1つは、単一原子の蛍光を集めることである。初期の実験では連続スペクトル放射の量子性が測定され、その後の進展により、オンデマンドで光子を制御して発生できる光子源が得られるようになった。効率よく光子を集めるため、エミッターは通常、光共振器あるいはマイクロ波共振器内部に置かれるが、このような源は、集積回路内部の配線によって量子通信を行う際の使用が難しい。本論文では、高効率と高スペクトル純度でマイクロ波光子を配線に注入するオンチップ、オンデマンドの単一光子源を実証する。これは、単一超伝導キュービットの自然放出を増強するマイクロ波伝送線路共振器をもつ、回路量子電気力学の構成で実現した。キュービットが自然放出するとき、発生した光子は飛行するキュービットとして作用し、チップ全体に量子情報を転送する。キュービットと放出された光子両方のトモグラフィーを測定して、この放出中に量子位相と量子振幅両方が転送されることがはっきりと示された。この光子源の平均パワーと電圧の両方を調べて、システムの性能を確かめた。この単一光子源は、チップ上の量子光学研究に関する急速に充実しつつある手法に新しい重要な要素をまた1つ加えるものだ。 Full Text PDF 目次へ戻る