Letter

細胞:ノッチシグナル伝達の差異が神経幹細胞と中間体の前駆細胞を区別する

Nature 449, 7160 doi: 10.1038/nature06090

脳の発生において、ニューロンとグリアは、神経幹細胞(NSC)およびさらに分化能力がもっと限定された中間体である神経前駆細胞(INP)の両者を含む胚領域から形成される。これら2つの増殖性神経細胞型を特徴づけるシグナル伝達現象については、いまだに理解が進んでいない。ノッチシグナル伝達経路は、NSCの性質を維持して神経発生を阻害することが知られているが、INPにおけるノッチシグナル伝達の役割についてほとんど知られていない。本論文では、NSCとINPは共にノッチ受容体の活性化に応答するが、NSCは標準的なノッチ・エフェクターであるCプロモーター結合因子(CBF1)を介してシグナルを伝達するのに対し、INPではCBF1のシグナル伝達が減弱されていることを示す。さらに、CBF1のノックダウンはNSCからINPへの転換を促進するが、INPをNSCに戻すには、CBF1の活性化だけでは不十分である。我々は、遺伝子導入および一過性in vivoレポーターによる分析を用い、NSCとINPが終脳の脳室帯に共存し、CBF1の活性によって、将来を分けられる可能性があることを示す。さらに、in vivoの移植実験から、NSCからはニューロン、アストロサイト、およびオリゴデンドロサイトが同等な頻度で生じるが、INPからは主に神経組織が発生することがわかった。造血幹細胞に関するこれまでの研究と併せて、本研究から、ノッチの下流にあるCBF1カスケードが使用されるか遮断されるかが、さまざまな組織で幹細胞とより分化能力がもっと限定された前駆細胞を区別する共通の特徴であることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度