Letter 生化学:細菌のエフェクタータンパク質AvrPtoによる植物の免疫系活性化の構造基盤 2007年9月13日 Nature 449, 7159 doi: 10.1038/nature06109 病原性微生物は、エフェクターを用いて宿主植物の感染感受性を高めている。しかし植物の方も、同族の病害抵抗性タンパク質を用いてこれらのエフェクターを見つけ出す、巧妙な免疫系を進化させてきた。こうした認識は非常に特異性が高く、多くの場合、過敏応答と呼ばれる急激な局所的細胞死を引き起こし、それによって病原体の成長を抑制する。病原体のエフェクタータンパク質と植物の抵抗性タンパク質の相互作用については、遺伝学的、生化学的に多くの研究がなされてきたが、相互作用の構造基盤はまだ解明されていない。トマトのプロテインキナーゼPtoとトマト斑葉細菌病菌であるPseudomonas syringaeのエフェクタータンパク質AvrPtoとの直接的な相互作用は、病害抵抗性とプログラム細胞死を引き起こすことが知られており、これにはヌクレオチド結合部位/ロイシンリッチリピート(NBS-LRR)をもつ病害抵抗性タンパク質Prfが関与している。今回我々は、AvrPto-Pto複合体の結晶構造について報告する。AvrPtoはPtoキナーゼを活性化するという広く支持されている仮説とは逆に、今回の構造解析と生化学解析から、in vitroではAvrPtoはPtoキナーゼの阻害因子であることが実証された。AvrPtoとPtoの相互作用を担うのは、Pto中にあるリン酸化で安定化されるP+1ループと第2のループで、トマト中にAvrPtoがないときには、この両方が、Prfを介する宿主防御機構を負に調節している。これらの結果を総合すると、AvrPtoは、Ptoの防御阻害にかかわる2つのループとの相互作用により、宿主防御機構を抑制解除させることが明らかである。 Full Text PDF 目次へ戻る