Letter 宇宙:火星における氷河期の動態 2007年9月13日 Nature 449, 7159 doi: 10.1038/nature06082 天文学的な気候強制力が比較的弱い地球と違い、火星では太陽の入射光が大幅に変動し、その変化は全球的規模で氷の再配置を可能にする。火星の両半球上での緯度ほぼ±60°から極地までの間に観測される地表下の氷の地理的広がりは、氷が安定である領域と一致している。しかしながら、火星の自転軸の傾き(傾斜角)は、過去数百万年間でかなり変化している。過去の研究によると、温度と大気湿度によって決まる氷の安定領域は、少し前には現在とは異なっていることが示されており、地表下の氷は不安定な状態になると短期間で後退すると予想される。本論文では、地表下氷床が現在みられる状態へとどのようにして進化してきたのかを説明する。昇華による消失と涵養の結果として生じる地下氷の成長と後退のシミュレーションは、過去500万年間に40回の大規模な氷河期があったことを示している。現在、地下氷の成長と後退は、中緯度地方では間隙氷を、高緯度地方では上から下に、乾いた層、間隙氷の層、重厚な氷床という3層構造を生じさせる。さらに、これらの層をまとめると、中性子やガンマ線による観測で見積もられた氷の量に矛盾しない十分な量となる。 Full Text PDF 目次へ戻る