Letter 生理:ショウジョウバエ味覚系による炭酸飽和の検知 2007年8月30日 Nature 448, 7157 doi: 10.1038/nature06101 ヒトには、甘味、苦味、酸味、塩味、うま味(グルタミン酸モノナトリウムの味)の5つの既知の味覚種が存在する。ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は糖、塩、有害な複数の化合物の味を感じるが、ショウジョウバエの味覚種の性質と数は明らかではない。これまでの研究では、味受容器遺伝子Gr5aを特徴とし糖を検出する味細胞集団と、Gr66aを特徴とし苦味化合物を検出する2番目の味細胞集団が確認されている。今回我々は、ショウジョウバエで新たな味覚種、すなわち炭酸水という味質の存在を確認した。我々は、解剖学的手法、カルシウムイメージング法、行動解析的手法を組み合わせて、二酸化炭素を検出して味受容行動を引き起こす味覚ニューロン集団を同定した。ショウジョウバエは、炭酸水の味によって増殖中の微生物を見つけ、そこから栄養分を摂取することができるらしい。嗅覚系による二酸化炭素の検出は回避行動を仲介するのに対し、味覚系による二酸化炭素の検出は受容行動を仲介することから、二酸化炭素が存在する状況によって適切な行動が決まることが示される。今回の研究は、炭酸水の味が他の生物にも存在する可能性を示すものである。 Full Text PDF 目次へ戻る