Letter

生態:移動性は「じゃんけんゲーム」を介して生物多様性を促進したり危機にさらしたりする

Nature 448, 7157 doi: 10.1038/nature06095

生物多様性は生態系の存続に不可欠である。生態系内の種多様性は、競争下にある個体群間の、非階層性で循環型の相互作用により促進される。そのような非推移的関係の主要な特徴は、石が鋏を砕き、鋏が紙を切り、紙が石を包むという「じゃんけんゲーム」で表現できる。この型の競争は、定常個体群の空間的分散と相まって、全種の安定した共存と生物多様性の長期にわたる持続をもたらす。しかしながら、個体群の移動性は実在の生態系がもつ主要な特徴の1つであり、動物は移住し、細菌は動き回る。今回我々は、移動性が種多様性に決定的な影響を及ぼすことを確認した。移動性が特定の値を超えると、生物多様性は危機にさらされて消失してしまう。対照的に、この閾値以下では、すべての下位個体群が共存し、経時的に動く渦巻き波のもつれ合いが形成される。この現象はロバストであることが確証され、循環型の競争関係や空間環境の具体的内容には左右されない。これらの知見は、生態系の持続と時間的推移に関して重要な意味をもち、微生物個体群や興奮性媒質でみられるパターンの形成と伝播にも関連する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度