Letter 医学:p15Ink4bはp16Ink4aの非存在下における重要な腫瘍抑制因子である 2007年8月23日 Nature 448, 7156 doi: 10.1038/nature06084 ヒトの染色体9p21(マウスでは第4染色体)上に存在するCDKN2b-CDKN2a遺伝子座は、癌では頻繁に欠失がみられる。この遺伝子座は、細胞周期を抑制する3つのタンパク質をコードする。すなわち、CDKN2bがコードするp15INK4b、CDKN2aがコードするp16INK4a、およびCDKN2aの選択的リーディングフレームがコードするp14ARF(マウスのp19Arf)である。p16INK4aおよびp14ARFの腫瘍抑制機能については確証が得られているが、p15INK4bの役割については依然として不明である。しかし、9p21欠失の多くではCDKN2bも欠失しているため、我々は、p15INK4b、p14ARFおよびp16INK4aの複合欠失による相乗効果が存在すると仮定した。本論文では、3つのオープンリーディングフレームすべてを欠失するマウス(Cdkn2ab−/−)は、Cdkn2a変異マウスよりも腫瘍が発生しやすく、腫瘍のスペクトルも広汎で、皮膚癌および軟部組織肉腫(例えば中皮腫など)で混合細胞型を示すことが多く、しばしば二相性分化を示すことを報告する。Cdkn2ab−/−マウスの胚性繊維芽細胞(MEF)は、Cdkn2a変異MEFと比較して、癌化に対する感受性が大幅に高い。ストレス下では、p15Ink4bタンパク質の量は、p16Ink4aを欠失するMEFでは著しく増加する。今回の結果から、p15Ink4bがp16Ink4aのバックアップという重要な機能を果たせることがわかり、ヒト腫瘍でCDKN2b-CDKN2a遺伝子座全体が頻繁に欠損している理由も説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る