Letter

生化学:神経伝達物質輸送体の細菌相同体における抗うつ薬結合部位

Nature 448, 7156 doi: 10.1038/nature06038

ナトリウム共役型輸送体は至るところに存在するポンプであり、既存のナトリウム濃度勾配を動力源として、栄養源、神経伝達物質、無機イオンの脂質二重層を介する熱力学的に不利な取り込みを引き起こす。これらの内在性膜タンパク質の機能不全は、グルコース/ガラクトース吸収不良、先天性甲状腺機能低下、バーター症候群、てんかん、抑うつ症、自閉症、強迫性障害との関連が示唆されてきた。ナトリウム共役型輸送体は、利尿薬、抗けいれん薬、抗うつ薬などの、治療に重要な多くの化合物によって阻害されるが、こうした薬剤の多くはアンタゴニストの結合部位の探索や輸送機構の解明を目的とした生化学実験に不可欠な手段にもなっている。定常状態における速度論データからは、拮抗阻害と非拮抗阻害の両方の様式が存在することが明らかになっている。セロトニン輸送体(SERT)のアンタゴニスト解離実験により、別の高親和性部位からの阻害薬の解離をアロステリック効果によって遅くする低親和性部位が存在することもわかっている。このような研究の進展にもかかわらず、阻害作用の原子レベルでの理解は不十分である。今回我々は、哺乳類の神経伝達物質-ナトリウム共輸送体の原核生物における相同体であるLeuTの阻害について一群の分子のスクリーニングを行い、三環系抗うつ薬(TCA)クロミプラミンが基質の取り込みを非拮抗的に阻害することを示す。共結晶構造から、クロミプラミンおよび他の2種類のTCAは、基質と2つのナトリウムイオンの約11Å上方で細胞外に向いた入口の窪みの中に結合していることが示され、細胞外ゲートを閉じたコンホメーションで安定化させているようにみえる。解離速度解析で、クロミプラミンがLeuTからのロイシンの解離速度を遅くすることが立証され、このTCAは基質の放出を遅らせることによってLeuTを阻害するという我々の主張が支持される。今回の結果は、ナトリウム共役型輸送体の非拮抗阻害に関する分子レベルでの考察を示しており、新たな阻害薬を合理的に設計するための基本原理を明らかにしている。

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