Letter 物理:フェムト秒時間遅延X線ホログラフィー 2007年8月9日 Nature 448, 7154 doi: 10.1038/nature06049 自由電子レーザーから得られる超高強度で超高速のX線パルスを用いると、物質における複雑な過渡現象の基本的側面を研究するまたとない機会が得られる。超高速時間分解法では、遷移を開始させて正確に定められた時間遅延の後にそれを調べるには、通常、高度に同期したパルスが必要である。X線領域の場合、こういった方法は複雑な光学系と解析を要するため困難である。今回我々は、ニュートンの「埃をかぶった鏡(dusty mirror)」の実験にヒントを得て、簡便なホログラフィー測定方式を提案し、これを適用して微小物体のX線誘起爆発を観察した。サンプルはX線ミラーの近くに設置され、パルスはサンプルを透過して反応を引き起こした後、ミラーによって反射されてサンプル上に戻り、この反応が調べられる。遅延は、得られた回折パターンに1フェムト秒の正確さで変換され、構造変化は高分解能でホログラフ的に記録される。この技術を使って、高強度自由電子レーザーパルス中においたポリスチレン球の動態を測定し、最初のパルスのかなり後に起こった爆発を観察した。今回の結果は、X線フラッシュイメージングは、生体サンプルの放射線損傷限界を超える高分解能を実現するのに使えるという考えを裏付けるものだ。近い将来実現するだろう超高速X線源を用いれば、原子運動の時間スケールで物質の3次元動態を研究できるようになるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る