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生理:ガストリン放出ペプチド受容体は脊髄で掻痒感を仲介する

Nature 448, 7154 doi: 10.1038/nature06029

かゆみ、すなわち掻痒感は、体が外部の有害物質によって傷つけられるのを防ぐ生理的自己防御機構として働く不快な皮膚感覚と定義される。腎臓病や肝臓病、またアトピー性皮膚炎などのような重症の皮膚病から生じる慢性的なかゆみは、臨床的に大きな問題となっている。しかし、中枢神経系のかゆみ特異的なメディエーターが何であるかは、まだ解明されていない。今回我々は、ガストリン放出ペプチド受容体(GRPR)が脊髄背側部における掻痒感の仲介に重要な役割を果たすことを明らかにする。ガストリン放出ペプチドは、後根神経節の少数のペプチド作動性ニューロン群で特異的に発現されており、その受容体であるGRPRは、脊髄後根の第I層に限って発現されていることがわかった。GRPR変異マウスは、熱あるいは機械的な痛み、炎症性の痛みや神経因性疼痛に対しては野生型マウスと同等な応答をみせた。それとは対照的に、かゆみ刺激によって誘発されるひっかき行動は、GRPR変異マウスでは明らかに減少した。一方、痛み刺激に対しては正常な応答がみられた。また、GRPRアンタゴニストを脊髄から脳脊髄液に直接注入すると、3種類のかゆみモデルでひっかき行動が著しく阻害された。これらのデータは、GRPRが脊髄レベルでは痛み刺激ではなくかゆみ刺激の伝達に必要であることを実証している。したがって今回の結果は、GRPRが、脊髄後角でかゆみ感覚の仲介を専門とする分子として初めて見つかったものである可能性を示しており、これはかゆみ止め薬開発の重要な標的となるかもしれない。

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