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医学:ハンチントン病でユビキチン系の全体に起こる変化

Nature 448, 7154 doi: 10.1038/nature06022

ハンチントン病(HD)は、ハンチンチン(HTT)遺伝子(HDとも呼ばれる)内でCAGトリプレットリピートの伸長が原因であり、病変神経細胞内にポリグルタミンが伸長したHTTタンパク質凝集体が蓄積するという特徴をもつ、優性遺伝性の神経変性疾患である。ユビキチン化されたHD封入体が異常に多くなるのは、HDおよびアルツハイマー病やパーキンソン病などの他の多くの神経変性疾患の診断にかかわる特殊症状であることから、これらの疾患の病因にはユビキチン代謝異常が関与するのではないかと考えられてきた。ポリユビキチン鎖によるタンパク質の修飾は、タンパク質の分解、細胞周期、転写、DNA修復や膜輸送などの多くの不可欠な細胞過程を制御していることから、ユビキチンシグナル伝達の崩壊は、神経細胞の機能と生存に大きな影響を与える可能性がある。ユビキチン依存性のタンパク質分解は、HDやその他の神経変性疾患の培養細胞モデルでは阻害されるが、HD患者または疾患の動物モデルでユビキチン・プロテアソーム系(UPS)の機能を測定することはできなかったため、神経変性疾患発症に対してUPS機能障害が及ぼす機能的役割に関しては異論が多い。本論文では、質量分析を使う方法によりポリユビキチン鎖を定量し、ポリユビキチン鎖の存在量がUPS機能を忠実に示す内在性バイオマーカーとなることを実証する。HDのR6/2トランスジェニックマウスモデル、HDのノックインモデル、並びにヒトHD患者から得た脳では、Lys48に結合したポリユビキチン鎖が発症初期から蓄積し、UPSの機能不全がHDに共通した病理的特徴であることが確かめられた。Lys63とLys11に結合したポリユビキチン鎖も、一般的にはプロテアソームの標的とはならないものの、R6/2マウスの脳に蓄積する。したがってHDは、ユビキチン系のこれまで認められてきたよりもずっと大きな全体的変化と関連している。

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