Letter 地球:イギリス海峡における棚谷系は激変的な洪水を起源とする 2007年7月19日 Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature06018 短期間で非常に大量の水を放出する巨大な洪水はめったに起きないが、地形の進化、大陸規模の水系パターンや気候変化に重大な影響を与えることがある。イギリス海峡つまりイギリスとフランスの間の狭い海路の底にある太古の巨大な谷のネットワークについては、大きな洪水による浸食でできたと考えられてきた。この仮説は、直接的な証拠が不足しているため、いまだに検証されておらず、谷の形成について激変的でない過程を考える別の仮説も考慮されている。本論文では、これまでになく詳細に谷の形状を示す高解像度ソナーデータから得られたイギリス海峡の一部の新しい局地的な海底地形図を分析した。大きな岩盤が床となっている谷が発見され、そこには、流線形の島や縦方向に長い浸食溝などの独特な地形が含まれている。これは、大量の水の放出による大規模な地表の浸食を示している。この結果は、ドーバー海峡で岩石のダムが決壊して、北海南部の盆地内にあった大きな氷河前縁湖からの激変的な水の流出が起こったとする巨大洪水モデルを裏付けている。巨大洪水は、水位の高かった間氷期中にヨーロッパ本土からイギリスが永久的に分離したことの説明となり、イギリスの初期人類移住パターンや北西ヨーロッパにおける古水系の大規模な再編成もその結果として説明できよう。 Full Text PDF 目次へ戻る