Letter 材料:イガイとヤモリにヒントを得た乾湿両用可逆接着剤 2007年7月19日 Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05968 ヤモリの接着方法は、剛毛と呼ばれる特殊化したケラチン質の足毛からなる足裏に依存しており、剛毛の末端はさらに200 nmほどのスパチュラに分かれている。ヤモリの足と表面との接触は、ヤモリが垂直な面、さらには天井のように反転した面にくっつくのに十分な接着力を発生する。接着は強力だが一時的で、移動中のヤモリは足を素早く着脱できる。剛毛に似たナノスケールの表面形状をもつ合成模倣物で、こうしたヤモリの接着特性を再現しようという試みは多数行われてきた。しかし、多数回の着脱サイクルにわたって接着性能を維持することは、まだ成功していない。また、ヤモリの接着力は、水に完全に浸かると大きく減少する。今回我々は、生物にヒントを得たハイブリッド接着剤について報告する。これは、超微細加工したポリマー柱のアレイを、イガイの付着部にみられる湿潤接着タンパク質をまねた合成ポリマーの薄層で被覆したものである。ナノ構造をもつポリマー柱アレイの湿潤接着力は、イガイをまねたポリマーで被覆すると15倍近く増大した。この系は、乾湿両方の環境において、1,000回以上の接触サイクルにわたって接着性能を維持した。このハイブリッド接着剤は、ヤモリとイガイ双方の接着剤の主要な設計要素を合体したものであり、どのような環境にあっても、さまざまな表面への可逆的な接着に使用可能である。 Full Text PDF 目次へ戻る