Letter 免疫:細菌のE3ユビキチンリガーゼは宿主のプロテインキナーゼを標的として植物免疫を妨げる 2007年7月19日 Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05966 植物や動物の病原性細菌の多くは、III型分泌系を使って、宿主細胞内に病原性に関連するさまざまな「エフェクター」タンパク質を送り込む。これらのエフェクターが作用する機構はほとんど明らかになっていないが、宿主免疫の抑制によって、病気が促進されることが多い。III型分泌系のエフェクターの1つであるAvrPtoBは、植物病原細菌であるPseudomonas syringae pv. tomatoが発現しているが、そのカルボキシ末端ドメインはE3ユビキチンリガーゼドメインである。このドメインを欠失させると、トマトの品種の一部で、AvrPtoBのアミノ末端領域(AvrPtoB1-387)が認識されるようになり、免疫に関連したプログラム細胞死が引き起こされる。本論文では、宿主のキナーゼであるFenが物理的にAvrPtoB1-387と相互作用し、植物免疫応答の活性化に働くことを示す。AvrPtoB E3リガーゼは、Fenを特異的にユビキチン化し、プロテアソーム依存的にその分解を促進する。この分解は、Fenを発現するトマト株で病気に対する感受性を誘導する。いくつかのトマト野生種が、AvrPtoB1-387に応答して免疫を示すことが認められたが、完全長のAvrPtoBに対しては免疫を示さなかった。したがって、E3リガーゼドメインを獲得することによって、AvrPtoBは高度に保存された宿主の抵抗性機構を阻んできたのである。 Full Text PDF 目次へ戻る