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細胞:生殖系列に分化可能な誘導多能性幹細胞の作製

Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05934

我々は既報で、レトロウイルスを用いてOct3/4(Pou5f1とも呼ばれる)、Sox2、c-MycおよびKlf4を導入し、さらにFbx15Fbxo15とも呼ばれる)遺伝子の発現を指標に選別することにより、マウス繊維芽細胞から多能性幹細胞を誘導できることを明らかにした。この誘導多能性幹(iPS)細胞(以降Fbx15 iPS細胞と呼称)は、形態、増殖および奇形腫形成において、胚性幹(ES)細胞に類似している。しかし、遺伝子発現およびDNAメチル化のパターンでは異なり、キメラの成体は誕生しない。本論文では、Nanog遺伝子の発現による選別を行った結果、Fbx15 iPS細胞と比較して遺伝子発現およびDNAメチル化パターンがES細胞に近く、生殖系列にも分化可能なiPS細胞を得たことを明らかにする。4つの導入遺伝子(Oct3/4Sox2c-mycKlf4)は、Nanog iPS細胞では強くサイレンシングを受けていた。我々は、7つのNanog iPS細胞クローンからキメラの成体を得たが、そのうち1つのクローンは、生殖細胞系列を介して次世代へと受け継がれていた。しかし、Nanog iPS細胞に由来するマウスの約20%では、導入遺伝子c-mycの再活性化により腫瘍が発生した。したがって、生殖系列キメラに分化する能力をもつiPS細胞を繊維芽細胞から樹立することが可能であるが、臨床応用のためにはレトロウイルスを用いたc-Mycの導入は避けるべきである。

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