Letter 地球:海洋トランスフォーム断層に沿った重力異常の拡大速度依存性 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05962 大洋中央海嶺の地形と地殻集積は、海嶺拡大速度に依存することが知られている。拡大速度が遅い大洋中央海嶺セグメントはトランスフォームオフセットと非トランスフォームオフセットに向かって相当に地殻が薄くなっているが、これは浮揚性マントル上昇流の3次元的過程と海嶺中央部の下に集中するメルトの移動によって生じたと考えられている。対照的に、拡大速度の速い大洋中央海嶺セグメントは、セグメントスケールでの地殻の厚さの変化がより小さいという特徴をもっており、これは海嶺軸の下のマントル上昇流がより一様であることを反映している。本論文では、マントルブーゲー重力異常の残差を19カ所の海洋トランスフォーム断層について系統的に調べた結果を示し、重力の特徴と拡大速度に強い相関があることを明らかにする。これまでの研究では、すべり速度の遅いトランスフォーム断層は隣接する海嶺セグメントよりも大きな正の重力異常を示すことが示されているが、今回の解析では、すべり速度が中程度か速いトランスフォーム断層では、隣接する海嶺セグメントよりも大きな負の重力異常を示すことがわかった。この発見は、すべり速度が中程度か速いトランスフォーム断層には質量欠損があることを示しており、これは岩石の孔隙率の上昇やマントルカンラン岩の蛇紋岩化、地殻の厚化、またはこれらのいずれかを反映している可能性がある。最も負の異常が大きいところは、トランスフォーム断層の谷(変形が恐らく集中し、孔隙率や変成が最大となると予想されるところ)ではなく、トランスフォーム断層の側面にある地形的に高い領域に対応しており、地殻の厚化が観測された負の重力異常の重要な一因となっている可能性を示している。この知見はさらに、3次元的なマグマの集積が、すべり速度が中程度か速いトランスフォーム断層の近傍で起きる可能性も示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る