Article 細胞:細菌RNAポリメラーゼにおける基質取り込みの構造基盤 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05931 多数のサブユニットからなるRNAポリメラーゼにおける基質取り込みの機構は、転写の一般原理を理解する上で極めて重要だが、まだ盛んに議論が続いている。今回我々は、高度好熱菌Thermus thermophilusの伸長複合体(EC)に非加水分解性の基質アナログであるアデノシン-5′-[(α,β)-メチレノ]-三リン酸(AMPcPP)が結合したもの、およびAMPcPPと阻害剤であるストレプトリジジン(streptolydigin)が結合したものの分解能3.0 Åでの構造を報告する。EC/AMPcPPの構造では、トリガーループ(TL)が2つのα-へリックスに折りたたみ直されることによって閉じた活性(挿入)部位に基質が結合している。これに対し、EC/AMPcPP/ストレプトリジジンの構造では、不活性な(挿入前の)基質の立体配置がストレプトリジジンによって誘起されたTLの変位により安定化されているのがみられる。我々の構造および生化学データは、TLの再折りたたみが触媒作用に必須であることを示唆しており、また、その意味するところは以下の3つにまとめられる。まず、細部に違いはあるものの、挿入前/挿入という2段階の基質取り込み機構はすべてのRNAポリメラーゼに普遍的らしい。次に、挿入前状態での凍結は、新規抗生物質の設計の際に魅力的な標的となる。最後に、TLは、調節因子によりその再折りたたみが調節されうる主要な標的であるとわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る