Letter 細胞:キイロタマホコリカビの浸透圧調節に必要な細胞内P2X受容体 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05926 P2X受容体は、細胞外ATPによって開閉する膜イオンチャネルで、脊椎動物には広くみられるが、これまで微生物では見つかっていない。今回、社会性アメーバであるキイロタマホコリカビ(Dictyostelium discoideum)のゲノム中にP2X受容体に弱いながらも類縁性をもつ遺伝子を同定し、ヒト胚性腎細胞での異種発現を行い、この遺伝子にコードされるのがATP(30〜100μM)によって活性化される膜イオンチャネルであることを明らかにした。位置特異的突然変異誘発によって、高等生物がもつP2X受容体との構造機能相関が基本的に保存されていることがわかった。この受容体は通常のP2Xアンタゴニストには感受性がないが、ナノモルレベルのCu2+イオンによって阻害される。キイロタマホコリカビではこの受容体は細胞内の膜にみられ、特に、浸透圧を調節する細胞小器官である収縮胞に著しく多く存在している。この受容体の遺伝子を選択的に破壊すると、低張状態での細胞体積調節ができなくなった。この変異体細胞では、膨張に伴って、収縮胞の内容物排出の著しい阻害がみられた。これらの知見は、細胞小器官に存在するP2X受容体が、今回見つかった浸透圧調節のような新しい機能をもつことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る