Article

免疫:半不変なNKT T細胞受容体によるCD1d-脂質抗原の認識

Nature 448, 7149 doi: 10.1038/nature05907

CD1ファミリーは、多型のない、主要組織適合抗原複合体(MHC)クラスI類似分子の大きな集まりで、T細胞によって認識される脂質抗原に結合する。脂質抗原と相互作用するT細胞の中で最もよく研究されているグループはナチュラルキラーT(NKT)細胞で、CD1ファミリーに属するCD1dを特異的に認識する半不変なT細胞受容体(NKT TCR)の発現を特徴とする。NKT細胞によるCD1d-抗原複合体の認識は、微生物免疫、腫瘍免疫、自己免疫およびアレルギーに関与すると考えられてきた。本論文では、強力なNKT細胞アゴニストで、典型的なCD1d拘束性糖脂質であるα-ガラクトシルセラミドに結合したCD1dと複合体を形成しているヒトNKT TCRの構造を明らかにする。T細胞受容体-ペプチド抗原-MHC複合体とは異なり、NKT TCRはCD1dと抗原が結合している溝に平行に、その溝の最末端で結合していた。これにより、脂質抗原との鍵と鍵穴タイプの相互作用が可能になる。この構造から、高度に保存されたNKT TCRのα鎖と、自然免疫に典型的にみられるCD1d-抗原複合体との間の相互作用の基盤が明らかになり、また、NKT TCR β鎖の可変性がどのように他のCD1d-抗原複合体の認識に影響を与えるのかも示される。これらの知見から、T細胞受容体が免疫系の脂質抗原提示分子を認識する仕組みに関する直接的手掛かりが得られる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度