ヒペリオンは、土星の衛星で不規則な形をしたものとしては最大であり、カオス的な軌道運動が観測される唯一の衛星である。これまでの研究で、ヒペリオンの表面が他の小さな氷天体とは異なっていることが明らかになってきたが、その原因は確定されていなかった。本論文では、数キロメートルのスケールで、そのスポンジ状の独特な外観を示すヒペリオンの高解像度画像について報告する。分布図からは、直径2〜10キロメートルの比較的よく保存されたクレーターの表面密度が高いことがわかる。ヒペリオンの大きさと質量も確定され、平均密度が544±50 kg m−3であると計算でき、この値から孔隙率が40パーセントより大きいことが示された。孔隙率が高いことで、生成あるいは保持される放出物の量が減少してクレーターが保存されやすくなるのかもしれない。したがって高い孔隙率は、この特異な表面を形成する上で重要な要素である可能性がある。