Letter 細胞:Akt/PBKは、転写コアクチベーターPGC-1αを直接阻害することにより、肝臓の代謝系を調節する 2007年6月21日 Nature 447, 7147 doi: 10.1038/nature05861 2型糖尿病は西側諸国で健康問題や経済に相当な影響を及ぼしている病気で、脂質と糖質の代謝障害を伴う。インスリン抵抗性すなわち糖尿病状態の場合、肝臓はグルコース放出抑制という面ではインスリンの作用に反応しなくなるが、大量の脂質は生産し続け、この点では栄養とインスリンが十分にある場合の反応によく似ている。この脂質供給の以上が、2型糖尿病による死亡の最大の原因である心血管病の一因となる。しかし、肝臓での脂質の合成と分解をインスリンが調節するためのシグナル伝達経路の詳細は解明されていない。本論文では、インスリンがAkt2/プロテインキナーゼB(PKB)-βを介して転写コアクチベーターであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体コアクチベーター1α(PGC-1α)のリン酸化と阻害を誘導することを示す。PGC-1αは、飢餓時に肝臓の代謝を包括的に調節する因子で、リン酸化によってPGC-1αは本来結合すべきプロモーターへの移動が妨げられ、糖新生と脂肪酸酸化を促進できなくなる。今回の知見により、インスリンが肝臓の脂質異化作用を制御する仕組みが明らかになり、2型糖尿病治療の新たな標的が示唆された。 Full Text PDF 目次へ戻る