Letter 細胞:細胞構造のAMP活性化プロテインキナーゼによるエネルギー依存性制御 2007年6月21日 Nature 447, 7147 doi: 10.1038/nature05828 AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK、別名SNF1A)は主に、エネルギー欠乏に応答して活性化される代謝制御因子として研究されてきた。AMPKの生化学的特性に関しては比較的豊富な情報が存在するが、このキナーゼのin vivo機能に関しては十分なデータが存在しない。今回我々は、ショウジョウバエのモデル系を用いることによって、AMPK活性をもたない動物モデルを初めて作製し、このキナーゼの生理的機能を明らかにした。意外にも、lkb1ヌル変異体と同じく、AMPKヌル変異体は細胞の極性と有糸分裂に重度の異常を示すため致死性である。AMPKの構成的活性化によりlkb1ヌル変異体の表現型の多くが回復したことから、AMPKがLKB1セリン/トレオニンキナーゼの極性および有糸分裂調節機能を仲介することが示唆される。非筋型ミオシン調節軽鎖(MRLC、別名MCL2)の調節部位は、AMPKにより直接リン酸化されたことは注目すべきである。また、MRLCの疑似リン酸化変異体はAMPKヌル変異体の細胞極性と有糸分裂の障害を回復し、このことから、MRLCはAMPKの極めて重要な下流標的であると考えられる。さらに、エネルギー欠乏によるAMPK活性化だけで、ヒトLS174T細胞株での完全な極性の獲得と刷子縁形成といった、MRLCリン酸化を介した細胞形態の劇的な変化を引き起こすのに十分であった。総合すると、我々の結果は、AMPKが後生動物種全体において、代謝調節だけでなく細胞構造の制御にも高度に保存された役割をもつことを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る