Letter 生態:ウエストナイルウイルスの到来と北アメリカ鳥類個体群の大規模な減少 2007年6月7日 Nature 447, 7145 doi: 10.1038/nature05829 新興感染症は、21世紀における在来種保全にとって大変な難題となる。移入された病原体が引き起こす疾患は、アメリカグリ、ハワイ産鳥類、そして多くの両生類などで、種の豊富さに大きな影響を与えてきた。宿主個体群サイズの変化は、群集組成と生態系機能に著しい変化をもたらす可能性がある。しかしながら、移入された感染症のもたらした影響を特定し、それを(気象条件のような)個体群動態に影響する他の外力と区別することは困難であり、これを行うためには移入前後にわたる多量のデータが必要である。今回我々は、Breeding Bird Survey(BBS;繁殖期鳥類カウント調査)から得られた26年間の記録データを用い、北アメリカに生息し、宿主となる可能性がある20種の鳥類についてウエストナイルウイルス(WNV)の影響を判定した。そして、4科7種について個体群サイズの重要な変化が実証された。この結果は、事前予測および、時空間的な病原体伝播の強度と一致するものである。アメリカガラスの個体数はWNVの移入以後、以前の45%まで減少した。また、影響を受けた7種のうち、2005年までにWNV移入以前の状態まで回復したのは2種のみであった。これらの結果は、1つの侵入種が多様な動物群集にさまざまな地理的スケールで影響を与えうることを明らかにしており、侵入以後の群集の応答が複雑であることをはっきり示している。 Full Text PDF 目次へ戻る