Letter 材料:分子ナノレイヤーを用いたアニール誘起界面高靭性化 2007年5月17日 Nature 447, 7142 doi: 10.1038/nature05826 短い有機鎖からなり、末端に目的に合わせた官能基を有する自己集合分子ナノレイヤー(MNL)は、さまざまな用途向けに表面特性を改変するのに好適な材料である。例えば有機シランMNLは、潤滑剤として、またナノリソグラフィーや腐食防止の目的、並びに生体鉱物の結晶化で使用される。最近の研究では、薄膜界面でMNLを分子デバイスのアクティブ構成要素として、またパッシブ層として使用し、界面拡散を抑制し、付着力を増強し、脆性ナノポーラス構造体を強靭にすることが検討されている。表面上のMNLは350〜400℃以上の温度で安定性が比較的低いため、脱離や分解が起こる結果、高温用途における表面MNLの使用には制限がある。今回我々は、MNL脱離温度よりも高い温度で薄膜界面にMNLを用い、マイクロ電子デバイスやナノ電子デバイスの配線に適した銅-誘電体界面を強化した。Cu/MNL/SiO2構造体を400〜700℃でアニールすることにより、界面の靭性が本来のCu/SiO2構造体の5倍になり、約20 Jm-2を超える値が得られる。これまで、同程度の高い靭性値が得られたのは、マイクロメートルの厚さの界面層を使用した場合だけだった。破断面の電子分光測定結果、および分子伸張と分子破壊の密度関数理論によるモデリングから、高靭性化は、熱的に活性化された界面シロキサン架橋に起因するもので、これにより界面でMNLが両側の隣接層と強く結合してMNL脱離が抑制される。今回の結果は、ナノデバイスや耐熱性分子-無機ハイブリッドデバイスなど、マイクロレイヤーが現実的な選択肢でない用途向けに、かつての予想より高い処理温度において、さまざまな界面特性を目的に応じて分子レベルで調整することを可能にすると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る