Letter 宇宙:エンセラダスの亀裂の潮汐作用により制御された周期的な開口を原因とする噴出 2007年5月17日 Nature 447, 7142 doi: 10.1038/nature05821 2005年、土星の小さな氷衛星であるエンセラダスの南極領域の近辺に、プルームが発見された。南極の観測から、地殻の大きな亀裂が明らかにされ、通称「虎の縞模様」とよばれている。これらは周辺領域よりも高温で、おそらく観測された噴出の源であろうと考えられる。内部にあって根源となる噴出源に関するモデルは、現在検討中である。拡大するプルームに関する他のモデルを観測と一致させるためには、点々と存在する源からの噴出が、これらより広い源からのさらに小規模な噴出に加えて必要となる。これらの噴出を制御する物理学的な機構で、観測結果と一致するものは、まだ突き止められていない。本論文では、潮汐応力の時間的な変動が、虎の縞模様を作る亀裂を開閉させるという機構が、噴出のタイミングを支配していることを報告する。軌道を一回周回する間に、虎の縞模様の各亀裂のすべての部分が、周回時間のおよそ半分にわたって引っ張り応力を受け、それによって亀裂は開いて、揮発物質が露出し噴出が起こる。これに相補的な過程で、亀裂にかかる周期的な剪断応力も亀裂の長さにわたって熱を生じ、これは噴出力を高める力をもつ可能性がある。プルーム活動は周期的に変動すると予測され、土星のEリングへの物質注入とその形成、進化、および構造に影響を及ぼすと考えられる。さらに、噴出を制御している応力は、エンセラダスの氷殻がおそらく数十キロメートルの厚さしかない薄い弾性層としてふるまうことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る